ベルギー・フランス旅行記 July.2005  【 1日目 ブリュッセルへの道 】


● セントレア(中部国際空港)へ

 10時10分セントレア発の飛行機。ロンドン同時テロが起きたばかりで荷物検査に時間がかかるかもしれない。空港に早めに行くのは鉄則だ。8時には空港に居たいので7時30分の名鉄名古屋駅発のミュースカイ(セントレア開港に伴って新設された専用電車)に乗ることにした。7時20分に到着。この旅行のために買ったTUMIのバッグには着替えの服や靴も入って、もともと重いバッグの重量と合わせて20Kg。さらに機内持ち込み用のProtecaのバッグにはiBookが入っている。重量超過の心配はない。ビジネスクラスだから。しかし持ち運びにはその重さのため不安がある。その重い鞄を持ちながら急いで名鉄の切符売り場で切符を買う。しかし改札が開かない。変だ。
電車が事故で止まっているという係員。なんだって! 間に合わなくなる。しかもそうなら自販機を止めろよ。などと文句を言う時間ももったいない。すぐに払い戻すよう係員に言う。名鉄なので名鉄タクシー乗り場がそばにある。タクシーに乗り込む。空港までは定額でいいと言われる。その方が多少安い。急いでいる旨伝えると、もう少し速度を落としてもいいよと言いたくなるほど飛ばしてくれちゃう。結局8時10分くらいには着いた。電車で行った場合よりたった10分遅れだ。しかし電車なら1200円のところが高速代含めて約15000円! 早々の列車のトラブルである。この旅行ではフランスとベルギーの移動など初めての欧州列車利用をする予定。ふと不安がよぎる。そういう心配はこの旅行中いつも心に留めていたものだ。そしてその心配は少し当たることになる。

 動く歩道のようなエスカレーターで出国の3階へ。チェックインカウンターにはすでに行列が。しかし待ち時間ゼロのビジネス用カウンター(SEASON)でさっさとチェックイン。バッグの鍵はしてもいいですか? と聞いてみると、パリだから鍵を開けることはないので問題ありませんとのこと。新しい空港のラウンジは出国手続後の場所にある。旧名古屋空港では手続き前なのでゆっくりできなかった。さっさと出国手続き(持ち物検査、Immigration)をして、新しく広い免税品店を眺めた後、エグゼクティブクラスの
サクラ・ラウンジへ。サクラ・ラウンジではおつまみ類やパン、ビールなど飲み放題だが、飛行機の中でいくらでも飲食できるので生ビール1杯でがまんした。ラウンジ内には独立したバーもある。もちろん飲食は無料。
 ほぼ定刻に搭乗。沢山の人が待つ中、エグゼクディブからの優先搭乗には悪い気はしない。

免税品店、    搭乗口

 サクララウンジ、   サクララウンジのバー


● JAL ボーイング777 エグゼクティブクラス

 座席は一番前の席。
シェル・フラット・シート。一番前の席はシートを最大に倒してもまだ前を通る余裕がある。そしてサービスは前から順番で行われる。
 パリまでの12時間。食事は夕食と朝食の2回。その間でも欲しければ軽食を取ることができる。これから数日間は洋食のみとなるので和食のコースを選択した。味は悪くない。飲み物はビール、ワイン、ウイスキー、各種ソフトドリンクと豊富だ。まずシャンパン。その後はゲーテ・リースリングの白ワインを選んだ。

足許に余裕のある最前列、    和食のコース料理


「マスク2」などの映画を見る。結局シェル・フラットにしても熟睡はできなかった。定刻の現地時間午後3時半にパリ・シャルルドゴール空港ターミナル2(CDG2)に到着した。
 CDG2には1年前にも来ているので記憶に新しい。途中トイレに寄っておく。入国審査はいつものようにあっさり。バッゲージ・クレームでもビジネスのpriolity serviceでさっさと出てくる。


● TGVに乗ってベルギーへ

 CDGには欧州の高速鉄道
TGVやThalysも乗り入れるCDG2駅がある。寄り道せずに駅に向かう。空港の案内板を見ながら迷わず行ける場所だった。JRのみどりの窓口みたいなところに入ると人が並んでおり、窓口はTGVなどのGrand lineとその他の近距離列車に分かれており間違えずに並ぶ。それは看板に書かれている。30分ほど並んだ。欧米の駅係員はどこでも急いで仕事をしないので時間がかかる。英語は通じる。ネット決済で印刷したものを見せ、往復のBillet(切符)を受け取る。行きはCDG2-Brussels Midi(ブリュッセル南駅)のTGV(92.5euro)、帰りはBrussels Midi-Paris Nord(パリ北駅)のTallys(112e)。ともにFirst class。

TGVの切符

、 切符売り場、     電光掲示板

 17時49分発の電車なのでまだ1時間も余裕がある。Correspondance(電光掲示板)で Voie(プラットホーム)を確認。同じVoie同じ時間に2台の列車があればそれは前方後方で違う行き先であり乗り込む場所を間違えないようにしなければならない。構内をうろうろして写真を撮ったりしてのんびり過ごす。
 欧州の駅には改札口がないのでプラットホームのあちこちにある刻印器で切符に日付を刻印しなければならない。
これを怠ると列車内で検札された時に罰金を取られることになる。異なるシステムなので日本人は忘れがちになると思われ注意が必要だ。

 

電光掲示板、         刻印器

左はフランスの誇る高速特急鉄道Thalys、右はフランスの高速郊外鉄道RER

 やがて電光掲示板に目的の電車が20分retiredとの表示。まあ20分なら上出来か。欧州の列車は遅れて当たり前と聞く。時間が近づき確認しておいた乗り場に向かう。しかし(やっぱり?)列車は来ない。フランス語の分からない放送。ホームの客は立ち去ってゆく。どうなってるの? 困ったので電光掲示板へ。そこには40分遅れの表示。だんだん不安になってくる。しかし(やっぱり?)40分経っても列車は来ない。駅員がホームに来る。質問してみる。英語がよく分からないようで切符を見せて何度か尋ねる。一応ここで待っていればよいようだ。やがて列車が来る。これでいいの? 駅員に何度か尋ね、ようやくこれでいいという返事を得る。飛び乗る。

 何度も車両と座席を確認する。Coach1, Seat31, Separate seat、Solo window seat、問題ないようだ。列車の中にはすでに多くのフランス人またはベルギー人が乗り込んでおりくつろいだ雰囲気。Tumiの大きなバッグは入り口入ってすぐの荷物置き場に置く。荷物置き場は扉に仕切られているので発車までは盗難が気になってしょうがなかった。乗っている人たちは落ち着いたもので本を読んでいる個人客や、大笑いしているグループがいる。30分も経過しただろうか? ようやく列車は発車した。すでに1時間半遅れ。
 まだまだ明るいフランスの田舎道を順調に列車が走る。僕の座席は1人用の列。通路を挟んで2人用。1等車であるにしても1列に3人だ。前の座席との距離も狭い。日本の「のぞみ」のほうがよほど居心地がよい。

到着したTGV、     TGVの車内

 Lille Europeというフランスのはずれの町に着いたときまたエンジンが切られる。どうやらここでも時間つぶしされるようだ。さすがに国鉄側が悪いと思ったのか乗客分の弁当を持ってきて乗客に配った。電車の中の食事でお腹を膨らますつもりはないのでミネラル・ウォーターだけ飲んだ。
 ようやくブリュッセル南駅に着いたのは2時間遅れの夜10時。そろそろ陽が暮れる頃だった。何はともあれ無事に着いた安堵感と疲れが半々。だって自宅を出てからかれこれ22時間は経っているのだから。


● ブリュッセルの夜

 宿泊するのはブリュッセル中央駅前にある
ル・メリディアン・ブリュッセル。しかしTGVなどが止まるのは南駅。中央駅から南駅までは同じブリュッセル市内なので、国鉄ならパリからの切符で移動が可能だ。しかしもはや列車を乗り換えて中央駅まで行く元気はなくタクシーで移動。10分ほどで到着。チップ込みで10euro。落ち着いた感じの若い黒人の運転手だった。

左 ブリュッセルMIDI(南)駅、 右 Central駅

 メリディアンは世界中に展開するホテルチェーン。ブリュッセルでも高級とされるホテル。中央駅の目の前。名所中の名所グラン・プラスまでも徒歩5分という抜群の立地条件。回転ドアを入ると大理石貼りの床、煌びやかなシャンデリアが高級感を演出する。フレンドリーなレセプションで予約確認の紙を見せてチェックイン。もちろん英語でOKだ。

 

 部屋は4××号室。フランス式では1階が0階となるので日本で言う5階に相当する。カードキーを入れなければエレベータに乗れない仕組み。セキュリティはよい。部屋は上等。洗面、トイレ、バスは同室であるが大理石貼り。ベッドはダブル。部屋には近代的な絵画が4枚飾られている。セキュリティーボックスは貴重品入れとして大変便利。高速インターネットが接続できる。しかし有料。1時間0.6euroで上限は1日25euro(3泊の間に75euro使用した)。窓からは夕暮れのベルギーの空に三日月とグランプラスの市庁舎の塔が見えた。

 

カードキーを入れるエレベーターとホテルの部屋

バスルームは大理石貼り、アメニティはメリディアンのオリジナル

セキュリティーボックスとエアコン

 長い1日に疲れ切ったのでこのまま入浴して寝ようかと思ったが、シャワーを浴びてから、思い直してグランプラスの夜景を見に出かけた。ヴィクトル・ユーゴーが「世界で最も美しい広場」、ジャン・コクトーが「豊饒なる劇場」と賞賛した広場。人出の多いことに驚く。セルクラースの像(触ると幸福をもたらすと言い伝えられる暗殺されたブリュッセルの英雄の像)を見たりしながらぐるりと一回り。すぐに帰ってきて、ホテルのバーに入る。そこでレフの生を飲む。4.7euro。ホテル内なので割高なのはしょうがない。店員の感じも良い。部屋でインターネットに接続し、さっそくベルギービール好きのコミュニティに報告した。

 

夜のグランプラス

セルクラースの像とホテルのバーでベルギービールのレフ・フラウン生


pm10 夕闇迫るブリュッセルのホテルの窓から見たグランプラス市庁舎の塔と三日月


  


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