ベルギー・フランス旅行記 July.2005  【 3日目 ブリュッセルの一日 】
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● ブリュッセルの一日

 ブリュッセルを散策する予定でホテルを出る。曇り空にて半袖では少し涼しい。部屋に戻ってバーバリーのジャケットを羽織る。グラン・プラスの王の家の裏にあるツーリスト・インフォメーションに行き、ブリュッセル市内の公共交通が1日乗り放題の
1 day cardを購入。3.8euro。
 ギャルリー・サンチュベールに行き、
MOCAFEというカフェに入る。外のテーブルでフルーツ乗せワッフルとカフェを注文。6euro。ギャルリーの通りで朝のワッフル。うーん、ベルギーっぽい。

  

左 ブリュッセル 1 day card 、 右 サンチュベール内のカフェ MOKAFE

カフェの店外  フルーツ乗せブリュッセル・ワッフル

  

ギャルリー・サン・チュベール  サンチュベール内のベルギーの高級鞄「デルボー」のショップ


 ギャルリーを抜けて中央駅方面に歩く。朝の歩く人や車は少ない。都会といっても日本と比べると随分交通量が少ない。最近ベルギーの皇太子が結婚式をあげた場所でもあるサンミッシェル大聖堂に行ってみる。入るのは無料。有名なステンドグラスを見る。うーん、ヨーロッパでは教会のステンドグラスをよく見てきたがそれぞれの教会の独自の良さがいまいち分からない。

  

サン・ミッシェル・大聖堂 、 見事なパイプオルガンである


 中央駅の裏を通ってモン・デ・ザール(芸術の丘)という公園を上り、楽器博物館を横目に王立図書館へと向かう。途中韓国人のバッグ・パッカーに写真を撮ってくれと頼まれお互いに撮り合った。日韓友好なのだ。

  

左 アールヌーボー建築の楽器博物館 、 市民の足 トラム


 お目当ての、ベルギー王立美術館に入る。5euro。ベルギー王立美術館は1799年にルーブルの分館として設立された古典美術館と1984年に20世紀の美術を集めて誕生した近代美術館が1997年に合体して現在の姿になった。入り口を入ると広いエントランス。入場券売り場には誰も並んでいない。観覧するものにとってはすいているのはありがたい。売り場係員は「日本人か?」と聞き日本語のパンフレットを渡した。他の場所でもそうだがいつも「日本人か」と聞かれる。パンフレットも欧米言語以外は日本語しかない。世界における日本の立ち位置を少し感じる。他のアジアの国民や日系の欧米人だったらあまりいい気がしないかもしれない。
 広すぎて全ては見れないと判断し、古典美術部門を捨て、現代美術部門へ向かう。現代美術のコーナーは地下1階から地下8階!までありこれが吹き抜けとなっており自然光が降りそそぐ。広くて綺麗な館内で、1フロアー係員も不在で私一人というような状況もあり、おいおい、こんな高価な絵をほったらかしでいいのかい? などと心配になる。こういったところがパリの人気美術館と決定的に違う。静かに絵と対峙できる。とにかくその瞬間はどこかで必ず目にしたことがあるような美術作品の本物が自分一人のために存在しているような気分になるのだった。それは結構いい気分だ。
 ベルギーの小学校低学年の子たちがいくつかのグループに分かれて、美術館の学芸員の説明ツアーに参加していた。大きな絵の前で座り込んで、説明を熱心に聞いている(中にはよそ見をしているやんちゃもいるが)。いい風景だ。この子たちの中から将来のアーティストも誕生するのかもしれない。ベルギーは美術のレベルが高いわけだ。エクスキューゼ・モアと言いながら前を横切ると、どうぞ、ようこそ美術館にいらっしゃいましたと学芸員らしきマダムが言った。
 ダヴィッドの「暗殺されたマラ」、クノプフの「愛撫」、デルヴォーの「ピグマリオン」、マグリットの多くの作品など見所も豊富。2時間ほどでざっと見たが、できれば再訪して1日かけてゆっくりと見たいと思った。
 ミュージアム・ショップで日本語のガイドブックを購入15euro。その後、併設のレストランへ行く。ランチの時間。スモーク・サーモンとチコリとパンのディッシュとフレッシュ・オレンジジュースを頼む。チコリは初めて食べたがしゃきしゃきした歯触りが美味しい野菜だ。

 美術館のエントランスホール  、  有名な絵画が並ぶ館内

 

王立美術館入場券  、  展示室で座り込んで話を聞く子供たち

 左  デルボー「ピグマリオン」  、  右  クノプフ「愛撫」

左  ナム・ジュンク・パイク「カペラ」


 美術館を出るとすっかり雲が消え、熱い日差しに戻っていた。少し歩いてノートルダム・デュ・サブロン教会に行く。ステンドグラスが美しかったはずだが、見慣れてしまい印象に残っていない。
 そこからまた少し歩き、お目当てのチョコレートショップ、ピエール・マルコリーニに行く。ちょっと入りにくい宝石店のような店構え。店員も黒い制服の小綺麗な青年。Malline250g(13.5ruro)というケースを3箱。暑い日差しに溶けないかと心配しながら歩く。

  

左 ノートルダム・デュ・サブロン教会のステンドグラス 、 右 ピエール・マルコリーニ


 MIDI駅まで1区の近くの駅を目指したはずが道をそれ、暑い中、延々とHALLEPOORT駅までマロール地区を歩くことになってしまった。真っ昼間だから危険は感じなかったが、このあたりは少しだけ物騒な雰囲気がある。地図があっても方角が分からなければ使えない。今後旅行にはコンパスが必要だろう。
 やっとメトロ駅に到着し1日券を検札器に通し刻印する。地下に入り日差しを逃れほっとする。メトロの行き先を間違えないように乗り、たった1区のMIDI駅に着いた。MIDI駅は大きい。外に出たがここでも方角が分からず地図を睨んでさんざん考える。目指すはグース博物館(ベルギー独自の自然発酵ビールの醸造所で有名なカンティヨン醸造所)。時間は午後3時頃になっていた。道がはっきりしないし、タクシーに乗るのは憚られる距離だし、歩き疲れたし、時間も気になるし、チョコレートも気になるので、断念する。そして駅から国鉄で中央駅に行き、一旦ホテルにもどる。

 グラン・プラスの一角にも
ビール博物館がある。狭い階段を地下に下りるとビア・バーがある。そこへ4euroで入場。オリジナル生ビールを含む。ビール博物館自体はあまり見るものがない。外人のお客はベルギービールのビデオ映像を見ていたが僕はすぐさまクリークタイプのビールを1杯飲んでさっさと店を後にする。

グランプラスのビール博物館


 レオニダスというチョコレートショップを眺め、お値打ちな料金なので買おうかと思ったが沢山の客が並んでいるのでやめた。グラン・プラスを抜けてアールヌーボー建築のカフェ「ファルスタッフ」に行った。午後4時半頃なので店内はガラガラだ。レフ・ブロンドを1杯2.5euro。
 ギャルリー・サンチュベールの有名チョコレートショップ「
ノイハウス」に行き、板チョコやプラリネを買う。

左 ファルスタッフ 、 右 ノイハウス


 ホテルのバーでGallerのチョコレートを買っておく。ガレはベルギー王室御用達の一つ。これでプラリネット、ピエール・マルコリーニ、ノイハウス、ガレと4銘柄を買ったことになる。
お土産はチョコレートの食べ比べという訳だ。
 スーツにネクタイという服装に着替え、夜8時からの予約をしてある高級レストラン「
ラ・メゾン・ド・シーニュ」に行く。「白鳥の館」という意味の店名。グランプラスのこの店のある場所はかつてそう呼ばれていた。入り口で名前を言うと、小さいエレベーターで2階にある店内へ通される。壁際のテーブルに座り、まずは飲み物を注文。ハウス・ワインの赤、グラスで5.5euro。水はハーフボトルでガス入り4.6euro。メニューはコースであるムニュ・グルマン80euro、ワインは勧められるまま白のシャブリのハーフボトル45euroを注文した。合計135.1euro。チップは含まれているのだが約10%の14.9euro付けて150euroとした。料理は量が多く、なんとか食べきったという感じ。客は他に12組ほど来ていたがすべて白人で、年配の家族連れやビジネスマンらしい人も居た。
 ワインでかなり酔いもしたので、再度アラベカスなどに行く余裕はなかった。3時間ほどの食事で、店を出たのは11時近く。グランプラスのイルミネーション・ショーを見てホテルに帰り、ベッドに倒れ込んだ。

左 メゾン・デュ・シーニュ前 、 右 路上パフォーマンスに合わせて踊る子供

グランプラスのイルミネーション


  


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