アマンキラ旅行記 Aug.2008 3日目

● 海の上のベッド

 アマンキラのパッケージには滞在中希望するアクティビティが一つ無料でついてきます。私たちはアマンXII号でのモーニング・クルーズを選びました。アマンXII号は12mのアウトリガースタイルの船で、2階建てになっています。2階にはアマンお馴染みの白いふかふかのマットレスが敷き詰められています。1階はテーブルがあり食事ができます。

 日焼け止めクリームを塗り、9時15分にフロントに行きます。空は曇り空。フロントのスタッフに今日の天気はどう?と聞きますと、良い天気ですよ、とのこと。何しろ否定的なことは言わない人たちです。アマンの車で15分ほど走り、漁村に行きます。浜辺にアマンXII号が待機しており、裸足になって砂浜を歩き乗り込みます。私たちの4人他には子供2人の日本人の家族が一緒でした。船の2階に上がり、マットレスに寝転がります。周りの船を見渡してもこれほど豪華な船はありません。海原に漕ぎ出すと、やがて晴れてきて強烈な陽射しに曝されはじめました。過ごしやすい暑さでも熱帯の陽射しをなめてはいけませんね。かなり日焼けをしました。結構揺れましたが、安定性の良い船なのでしょう。船酔いすることはありません。でもビールやジュースが出されるのですが、固定する穴のある机に入れないとこぼれてしまいます。ともかく、ベットで寝転がりながら海の上を移動するというのは非日常的な体験です。


砂浜を歩いてアマンXII号に乗り込む。2階はふかふかのマットレスが敷かれている。


まるで海の上のベッド

 海に浮かぶ岩山を巡った後、アマンキラの沖合に向かい、海からキラを眺めます。こうして見るとあらためてアマンが他のリゾートと違うことが分かります。一つの山の傾斜に沿ってヴィラが点在しています。海からはかなり高い位置にあるため、山にとけ込んでいるようです。まさに古の宮殿のようです。


沖から臨むアマンキラの偉容

 シュノーケリングのポイントに着くと船は停泊し、各自シュノーケルの装備を付け海に入ります。パンを手に熱帯魚に餌付けします。あっというまに沢山の熱帯魚に囲まれます。20分ほどシュノーケルを楽しんでから船に上がり水で流します。この頃には空が雲ってきていました。良い天気の間にクルーズを楽しめました。1階のテーブルで軽食タイムとなります。オレンジジュースやコーヒーにココア、サンドイッチやサラダが所狭しと並べられます。しかしもったいないですが疲れていてこんなに沢山は食べられません。また、ビールやソフトドリンクは何度も勧められますがそうそう飲めるものではありません。やがて2時間半ほどのクルーズも終わり、漁村に戻り、車でアマンに帰ります。漁村では車までの道すがら地元民に布を買ってくれとつきまとわれました。安いので現金を持っていれば買ってもよかったかなと思いましたが。


シュノーケリングから上がると軽食が山盛り用意されます。食べ切れないのが悔しい。

● ガムランと舞踏

 部屋に戻るといつものように綺麗に片づけられ、空調はやや冷えすぎなくらいです。iPodスピーカーから流れる音楽はアマンキラのオリジナルのガムラン。このCDはお土産に買うことを決めました。

 午後3時頃からはマゼランのアルディカさんにウブドへのガイドツアーを頼んでいました。車に乗り込むと、バリのポピュラーなお菓子、ポテトチップスのようなサツマイモのお菓子を頂きました。キラからウブドまでは約1時間。アルディカさんはバリの風物のことなどいろいろ話しかけてくれます。

 お土産を買いたいという私たちのリクエストで、まずはウブドのお土産物の問屋さんのような所(Windhu Sar)に行きました。ツアーコースに含まれているのでしょうか日本人や韓国人などのグループも何組か来ていました。バリの民芸品などを直販しているようで安いです。店員はだいたい日本語が分かるようで日本語で話しかけてきます。トイレも清潔。アルディカさんの口添えもあり、会計で更に2割ほど引いてくれました。それにしてもインドネシアの通貨ルピアにはなかなか慣れません。日本円に比べて約80分の1の価値。この土産物屋では沢山買ったので200万もつかいました(日本円では2万円ほど)。


ウブトの近くのお土産量販店

 次に、ウブドの絵を見たいという私のリクエストで「Semar Kuning I」という画家の協同組合のようなギャラリーショップに案内されました。奥行きのあるギャラリーに所狭しと飾られた絵画は古典風から現代絵画、バリ風の色鮮やかなものまで多彩です。伝統衣装を纏った店員は漫才の掛け合い風の日本語を巧みに話します。購入に関してはあまりしつこくありません。私は現代絵画が趣味なので気に入った作品を一つ60万ルピア(約7千円)で買いました。額から外してキャンバスを丸めて包装します。ちなみにここのトイレはややローカルで女性には少し厳しいです。購入した油絵は日本で額装にして玄関に飾っています。


バリで購入した油絵は日本で額装にして玄関に飾りました。

 そろそろ陽が落ちてきた頃、ウブド王宮の前に到着しました。今日のメインイベント、伝統舞踏は7時半からです。それまでの約30分、アルディカさん運転手さんとは別れて散歩。ウブド王宮の近くのアクセサリーショップなどでブレスレット、指輪やネックレス、ガムランボールなどを買いました。同じ品質のものであれば日本よりもかなり安いです。待ち合わせの7時頃、ウブド王宮の前でアルディカさんがチケットを買って待っていてくれました。一人8万ルピア(約千円)。そして会場へ。自由席で、すでに満席です。しかし最前列の真ん中で運転手さんが4人分の席を確保してくれていました。私たちが買い物している間、アルディカさんと運転手さんの二人で早くから座っていてくれたのです。これには感激しました。ちなみにウブド王宮のトイレにも行きましたが、このトイレは日本女性には相当厳しいレベルでしょう。水瓶の水で流すのですが、その柄杓を持つのも嫌だろうと思います。扉の鍵は壊れていますし、もちろん紙はありません。

 ウブドには代表的な舞踏団が何組もあり、それぞれ公演の曜日や場所が決まっています。水曜日の王宮は「Panca Artha」というグループです。演目は「レゴンダンスとバロンダンス」。昨日アマンキラで観たのでもういいかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。やはり本場ウブドの豪華さは違います。そしてやはり最前列は良かったです。ガムランの生演奏がうるさいかと心配しましたが杞憂でした。大きい音も耳ざわりではありません。目の前で踊るダンサーの手の動き目の動きもはっきりわかります。迫力の1時間半あまりを堪能しました。


ガムランの演奏から舞踏劇が始まります。


独特の大きく見開いた目と手の動きが特徴的。歌舞伎やインドの踊りにも共通するものを感じます。




古代の神々と王宮にまつわる戦争と愛憎の劇




お笑いの要素もあります。

 ディナーはウブドで人気の「カフェ・ワヤン」というインドネシア料理の店をリクエストしていました。入り口は小さいのですが、奥に長く、奥の方は庭になっていて東屋風の席もあります。アルディカさんは奥の個室を予約してくれていたのですが、満員で前の客がまだいすわっているとのこと。あきらめていったんは入り口付近のテーブルについたのですが、アルディカさんが店内を見て回り、雰囲気の良い東屋風個室に変更するよう手配してくれました。


ウブドにある人気インドネシア料理店「カフェ・ワヤン」


東屋風の個室

 有名店の素敵な個室でインドネシア料理を何品かと、ビールやジュースも頼み大人4人がお腹一杯になったのですが、それで会計が28万ルピア(約3千円)なのには安くてビックリ。この店だって旅行者ばかり。きっとこれでもバリの庶民の行く店に比べたらかなり高い値段なのでしょう。つくづく、バリの地元民から見たらアマンキラの値段って一体…って考えてしまいます。

 アルディカさんとバリ舞踏の話などをしながらキラまで帰ります。バリでは女の子は皆ダンスを習うそうで、アルディカさんの娘さんも踊れるのだそうです。アルディカさんとはまた最終日にお会いします。11時20分、キラの部屋に着くと、ベッドの上には今日のプレゼント、アタの籠に入ったトリュフチョコレートが2つ置かれていました。こうして3日目が終わりました。


今夜のプレゼント


 


inserted by FC2 system