ベルギー・フランス旅行記 July.2005  【 2日目 ブルージュの一日 】


● ブリュッセル朝の散歩

 快晴だ。今日は電車でブルージュに行くつもり。まずはホテルの前の中央駅に行き、時刻表とにらめっこ。はじめは何だか分からないものの、そのうち表の見方を理解して大体の時間を把握しておく。そうしておいて朝食を探しにブリュッセルの街を歩く。
 夜の喧噪とはうってかわって閑散としたグランプラス。植えられた生花が青空に映える。散乱したゴミは掃除機の付いた車が清掃していく。朝9時台にオープンしている店は少ない。マネケンがオープンしているという情報に前を通りかかるが閉まっている。ダンドア(支店)に入るがカフェは11時からだと言われる。何だか感じが悪い。朝9時はこちらでは早朝なのか? ダンドアから右手にホテル・アミーゴの窓辺の赤い花を見ながら少し歩くと
小便小僧に着いた。朝早いためまだ観光客は数人しかいない。東洋人カップルに写真を撮ってくれと英語で頼まれる。「どこから来たの?」「日本」「僕も日本ですよ」そういう会話。そして僕も写真を撮ってもらう。
 グラン・プラス方面に歩いていると開店してそうなカフェを発見。「レジェンド」という店。「開いてますか?」「開いてますよ」お客はまだ誰もいない。店員の小柄なお姉さんと、背の高いお兄さん。感じがよいです。苺の乗ったワッフルの写真が目にとまったのでそれを注文。飲み物は、朝っぱらから……
当然ビールでしょ。オルバルを注文する。食後にはエスプレッソ。しめて8euro(約1000円)。いい朝食だった。その後、近くのスーベニア・ショップでお土産用の陶器のビールジョッキを30euroくらいで買った。一旦ホテルに戻り荷物を置いてから、中央駅に行く。

ブリュッセル・中央駅の時刻表、     ホームへの階段

掃除機車、     グランプラスの生花

青空に映えるグランプラス市庁舎

グランプラスの「ゴディバ」の前、   グランプラス「王の家」という名の建物

ホテル・アミーゴ、     クッキーの「ダンドワ」支店

かの有名な(世界3大ガッカリとも言われる)小便小僧クンです。気持ちよさそうに出してます(笑

Restaurant Cafe La Legende 1957年創業で案外由緒正しい店のようです

朝っぱらからベルギービール「ORVAL」と苺乗せブリュッセル・ワッフル

ベルギー・クッキーのついたエスプレッソ、   そろそろ賑わいだした街のカフェ   


● ブルージュ

 ブルージュまでのSNCB(ベルギー国鉄)1st classチケットを買う。17.4euro。Voie(プラットホーム)を間違えないように行く。掲示板によると11時発の列車が1時間遅れのようだ。しかしブルージュにも止まりそうなオステンド行きの列車が来る。どうやら10時発の列車も1時間遅れていたようだ。結局11時に乗れた。ホームに居てよかった。1時間遅れで定刻に(前の列車だけど)乗れてしまうという。なんだかさすが欧州だ。1等車といっても座席指定ではないようなのでそれが可能だったのだが。
 一人掛けの座席に座る。むしろTGVより居心地がいい。車窓にのどかな田舎の風景が流れる。約1時間でブルージュに到着する。帰りの切符を買う場所など一応確認しておく。

ブリュッセルからブルージュまでのSNCBの切符

SNCBの1等車内:三列シート、  電車のドア:ドアの開閉は画面のボタンを押す

ブルージュ駅窓口、     ブルージュ駅前


 広々としたブルージュ駅前。天気は快晴。暑い。サングラスをする。家族連れなど観光客がてんでに歩いて行く。ガイドブックを片手にまずは
愛の湖方面へ向かう。大きな木立の間の小道を行く。ベストショットが撮れる橋の上から愛の湖を撮る。観光客は分散するので人通りは少ない。静かな湖畔だ。
 湖の横を過ぎ
世界遺産ベギン会修道院に行く。木立の広場を取り囲むようにひっそりと修道院が建っている。

 

愛の湖 と ブルージュの小道

 

ベギン会修道院


 市の中心、マルクト広場を目指して更に歩き続ける。やがて美しい運河沿いのダイバー通りに出る。ボート乗り場を通りがかったので券を買って(5.7euro)
運河クルーズのため桟橋に降りた。
 陽の照りつける中、金髪の青年の横でベンチに腰掛けしばし待つ。やがてボートがやってくる。熟年の白人のおじさんが運転手兼ガイドのようだ。ボートの椅子も熱い。満席となるまで人を乗せていく。ほとんどが白人の観光客だ。人が乗るたび前に移動し結局一番前の座席になる。運河の景色の写真は撮りやすい位置だった。運河を35分ほど回ったろうか。ガイドは英仏語で喋り続けた。最後に、チップをくれると嬉しいな、というようなコメントで終わる。下船の時に1euroコインを渡した。メルシー。

 

茶色の木の箱のような所が運河クルーズの切符売り場。中におばさんが座っている。そしてその切符

運河クルーズのボート乗り場

ガイド兼運転手、    緑色に光り輝く運河

右はブルージュ最古の橋

北のベネチアと呼ばれるブルージュらしい素晴らしい風景です


 運河クルーズを満喫したら、喉も渇いたし、お目当ての隠れ家的ビア・バー「
デ・ガレ」を求めてかわいい建物が目を引くマルクト広場に着く。ここはヨーロッパで5指に入る美しい広場と呼ばれているそうだ。マルクト広場から隣のブルグ広場までの間を人混みの中何度もうろうろするもデ・ガレらしい店が見つからない。諦めかけた頃、人ひとりやっと通行できる細い道を発見。その奥にあった。まさに隠れ家。店のオリジナルの生ビール(3euro)を飲んで店を後にした。

 

マルクト広場とブルージュのシンボルの鐘楼

まさに隠れ家のようなビア・バー「デ・ガレ」

オリジナル生ビールと店内の様子


 道すがらベルギービールとグラス(ベルギービールはそれぞれに特定のグラスがある)の専門店
ボトル・ショップに入る。ビールとボトルが大量にあったが、お宝と言えるほどのものは見つけられなかった。さらにプラリネットというチョコラティエに入る。結構安かったので喜んで、お土産用に1枚2.75euroの板チョコを13枚購入。一口チョコを2個おまけでくれた長髪の青年。

ボトルショップ(左)    プラリネットのショーウインドーに並ぶチョコレート(右)


 ブルージュには「
ストラッフ・ヘンドリック」というビール醸造所がある。見学ツアーに参加しようかとも思ったがあまり時間もないので、ここで作っている生ビール「Brugge Zot」(3euro)をプラリネットのおまけチョコをつまみに飲む。

 

ビール醸造所兼ビアカフェ「ストラッフ・ヘンドリックス」


 かれこれ4時になるが、まだまだ真昼のよう。ちょっとは食べておかないといけない。ベギン会修道院近くの「マクシミリアン・ファン・オーステンレイク」というベルギー料理の店に入り、代表的なベルギー料理の「ワーテルゾーイ」15.95euroとベルギービール「フーハルデン(ヒューガルデン)」2.95euroを注文。ワーテルゾーイはゆでたチキンとジャガイモのクリームシチューのような料理。ホワイトソースは塩味でさらっとしている。美味しかった。

「マクシミリアン・ファン・オーステンレイク」の店外と店内

ベルギー料理「ワーテルゾーイ」とベルギービール「フーハルデン(ヒューガルデン)」


 その後はブルージュの夢のような景色をカメラに収め帰路につく。5時頃の列車。特にリクエストしなければ2等車になる。11.3euro。若干椅子が硬いけど問題ないかな。無事、Brussel Centralに到着した。

   

運河から愛の湖へ まさに夢のような景色です


● イロ・サクレ横丁で食い倒れ

 ホテルでは1日2回のターンダウン・サービスで、夜7時頃になるとルームメイドがやってくる。シャワーを浴びたばかりだったりしてバスローブで扉を開け、用がないことを伝えるとチョコレートを1個置いていってくれる。これはベルギー王室御用達の名店Galler(
ガレ)のものだ。
 夜8時頃から食事に出かける。1847年に完成したヨーロッパで最も古いギャルリー(ショッピング・アーケード)のひとつである
ギャルリー・サン・チュベールにはアールヌーボーの屋根の下、カフェやブティック、本屋やおもちゃ屋など様々な店が並ぶ。とってもおしゃれな通り。ここを抜けて、ベルギーの胃袋、イロ・サクレ地区へ向かう。狭い通りの両側にひしめくようにレストランが軒を連ね、通りに出されたテーブルにはもう沢山のお客がビールを片手にシーフード料理などに舌鼓を打っていた。イロ・サクレの途中の小道を入った所にひっそりと小便少女ジャンネケ・ピスがいる。小便小僧マネケン・ピスにならって1987年に作られたものだが評判が悪くてこの日も鉄格子の向こうで水も出さずに気の毒な姿だ。

ギャルリー・サン・チュベール

レストランが所狭しと並ぶイロ・サクレ地区 、 見捨てられた可哀相な小便少女


 イロ・サクレ地区を抜けたところ、通りの看板から入った小道の奥にある自家製ランビック・ビールで有名な「ア・ラ・ベカス」というビア・カフェに行った。ここでは名物Lambic-Douxランビック・ドウスというあまり酸っぱくないソフト・ランビックを飲んだ(3.75euro)。陶器の容器に入ったものをコップに注いでいただく。これがとても美味い。フルーティーでまるでリンゴジュースのようだ。もう一度飲みたいベルギービールを一つだけあげるとすればこれだ。しかし残念ながらランビック・ドウスはここでしか飲めないのだ。

  

ビア・カフェ「ア・ラ・ベカス」


 イロ・サクレ地区に戻りムール貝料理で有名な老舗「シェ・レオン」に入る。観光客に人気の店。MortSubiteというクリーク・ビール3.5euroと代表的なベルギー料理「Moules au vin blanc ムール貝の白ワイン蒸し」18.75euroを注文する。これは噂通りバケツのような鍋に1kgくらい入ってくる。はじめから覚悟してお腹をすかしていたのでどんどんぱくつく。セロリやハーブが刻んで入っていてニンニクの効いた塩味が絶妙でどんどんと胃袋に入ってゆく。鍋の底のスープを飲むほど1人前ぺろりと平らげた。となりでは別の味付けのムール貝を地元のおじさんが一人で食べていた。店員はあっさりとした態度だが手際が良く感じの良い店だ。さすが人気店だけある。
 胃袋がすっかり満足したところで、グラン・プラスに立ち寄ってみると凄い人だかり。今夜はどうやらベルギーの歌手らによる野外コンサートが催されるようだ。夜中にもイルミネーション・ショーがあるかと思って出かけてみたがコンサートが続いており深夜まで人だかりは絶えなかった。地元のテレビ局ではコンサートの様子が中継されていた。

シェ・レオンの店内とムール貝の白ワイン蒸し(一人前!)

夜9時半の(明るい!)グランプラス(コンサート準備中)


  

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